【ネタバレ注意】中二病でも恋がしたい!第十一話いまさら感想【片翼の…堕天使】
ネタバレあり!
執筆者は2週目なので、1期最終話まで見ていない方はブラウザバック推奨です…!
第十一話です
六花が眼帯を取ってから3週間が経過した頃の話です
総括すると「ダークフレイムマスターがクソ野郎な回」ですね
・「小鳥遊さん」
中二病を卒業した六花は、丹生谷のアドバイスを頼りに普通の高校生であろうとします
外見や言葉遣いから直していき、凸守のことも「私はもう卒業したの」と相手にしません
クラスメイトとの友達グループに属し、俗っぽい話題に話を合わせます
突き抜けた中二病で周囲を巻き込み、カリスマ性さえあった本作の裏主人公の六花が、普通にクラスメイトと話を合わせてヘラヘラしている姿は、正直見れたものではないです
これで本当によかったのか、六花はそれでいいのか、富樫は悩みますが、六花から眼帯を奪った自分がそれを言うのはあまりに無責任だとその悩みを押し殺します
また、丹生谷は学園祭での劇が評価されて演劇部にスカウトされます
作中、異なる種類の黄色い花が何度も登場します
自分を取り巻く環境が急変していることを自覚する富樫
眼帯を取って3週間、「極東魔術昼寝結社の夏」に赴いた六花は宣言します
「この結社…いや、この部は…今日を限りに解散する」
凸守からすればたまったものではないでしょう
自分のマスターがダークフレイムマスターに奪われた上に、邪王真眼の力さえ失ってしまったのですから…
ついに、本作の元気印、優秀なコメディリリーフだった凸守が折れます
結社の解散を泣きながら反対しますが、それを咎めることのできない富樫たちに代わって、丹生谷が凸守を抱きしめて宥めます
・お墓参り
お母さんに心配させないように、部屋の中二病アイテムを処分していく六花と富樫
捨てるものと取っておくものの区別がつかない六花は、ベッドの黒い天蓋カーテンを外すべきかの判断を富樫に委ねます
六花の中二病を卒業させた自分の発言に責任を持つため、富樫は外す選択を下し、六花は力なく「ありがとう」と言います
富樫の言うことを聞いて中二病を卒業すると決めた六花でしたが、自分の意思で決めたことではないので、心の奥底ではまだ揺れ動くものがあったのでしょう
なので、この「ありがとう」は、判断ができない自分の代わりに決めてくれてありがとう、というより、自分の奥底に眠るモヤモヤした未練めいた迷いにトドメを刺してくれてありがとう、といった意味でしょうか。この時点で、六花が富樫に依存していることがわかります
それを裏付けるのが、父のお墓参りに行くかどうかを富樫に相談するシーンです
ママが…一緒にお墓参りに行きたいって言ってる
パパのお墓に
どう思う?
「中二病でも恋がしたい!#11 片翼の…堕天使(フォーリン・エンジェル)」より抜粋
カーテンの比じゃない重大な選択を迫られ、黙り込む富樫
やがて口を開き、「お前は…どう思うんだよ」と質問を質問で返して選択を放棄します。しかしその回答は言わば六花を追い詰めるチェックメイト。将棋で言えば「詰み」の一手
六花は、「行けばママは喜ぶと思う」という当たり前のことを富樫に言わされます
だったらそれでいいんじゃないか?六花がそうしたいなら、と、富樫は…富樫は…
富樫てめーこの卑怯者めええええええ!
地に堕ちたなダークフレイムマスタァァァァ!
くっそおおおおおおおおおお!
でも自分が富樫だったらなんて言うかと聞かれたら「お前は…どう思うんだよ?」としか言えない…ちくしょう…強く…なりてぇ…!
心のどこかで引き止めてくれることを期待していた六花は、その願いが叶わないと悟り、富樫と小指を合わせてお墓参りに行くための勇気をもらい、またしても「ありがとう」と言います
中二病を卒業するという辛い選択も、富樫がそう望むなら卒業してみせる六花
本当は行きたくなかったお墓参りも、富樫が行けと命じたなら自分の気持ちは蔑ろにして実行してしまいします
六花はもう富樫に完全に依存しています
お墓参りに行く日、電車が来るまでの待ち時間、六花は何度も富樫の口から自分を引き止める台詞が出てくることを期待します
しかし、それも叶わず、電車が到着
電車に乗り込み、駅のホームと隔てられた場所にいる六花の顔を見て、富樫は彼女を引き止めるための言葉が喉まで出かかりますが、とうとうそれを飲み込んで無責任に微笑み、六花を見送ります
なぜ引き止めなかったのか、なぜ不可視境界線を一緒に探そうと言わなかったのかと凸守に詰め寄られますが、
「言って…どうするんだよ。言ってあいつを喜ばせて、何になるんだよ!」
自分に言い聞かせるように、中二病を根底から否定します
「いくら思っても、いくら信じても…そんなものないんだよ!」
凸守「そんなの…そんなの、分かってるデスよぉ…」
不可視境界線なんてない。そんなことはわかっている
でも六花を救ってほしい
六花を救えるのは富樫だけなのだから
富樫は中二病を否定することに囚われて、凸守の本音に、自分が本当に言うべきだった言葉に気づきません…
最低ですね富樫くん
六花のみならず凸守にまで現実という刃を突き刺し、想像力という翼を削ぎ落とし、地面に縫い付けてしまいました
六花を実家に送ってしまった富樫
整理された部屋、荷物の多いスーツケース
六花は帰ってこないんじゃないかと不安になりますが、時既に遅し
物語は最終話へ
つづく