【ネタバレ注意】中二病でも恋がしたい!第七話いまさら感想【明かされる六花の過去】
ネタバレあり!
執筆者は2週目なので、1期最終話まで見ていない方はブラウザバック推奨です…!
第七話です
今までのコメディ路線からシリアス展開に変わっていく転換点となった回で、六花の過去が明かされる回でもあります
・六花の実家
夏休み、六花に「実家に帰るから遊びに来ないか」と誘われた極東魔術昼寝結社の夏の面々
コメディリリーフとして活躍する凸守
いつものメンバーで海で遊んで楽しく過ごすはずが、六花はなぜか浮かない顔で…
この回はまだ後半戦の中ではコメディ成分多めですが、ギャグ担当は基本的に六花と富樫以外です。前半ではただの賑やかしだった凸守が回を追うごとに欠かせないキャラになっていきます…
実家に帰った六花は、おばあちゃんには優しく出迎えてもらえるも、おじいちゃんとはあまり上手くいっていない様子。六花は着いて早々部屋に引きこもってしまいます。十花さんに促された富樫が部屋に行くと、六花は部屋の隅で無線機をいじって電波を傍受しているところでした
不可視境界線の向こうと通信している最中らしいです
六花ちゃん無線趣味なのちょっとかっこいいですね…と思いかけましたが、六花からすれば趣味とかそんな単純なものではないのでしょう
それを裏付けるように、六花はおもむろに自分の過去を少し語ります
“そもそも、ここは私の拠点ではない
むしろ、管理局が本部を置く敵の拠点
2年前、私はここに連れて来られた
一見何事もない屋敷、しかしここには不可視境界線の存在を無効化する結界が張られている
精神攻撃及び負荷が増大
だから私は脱出した
この結界を破るには必要だった
「邪王真眼」の力が”
「中二病でも恋がしたい!第七話 追憶の…楽園喪失(パラダイス・ロスト)」より抜粋
まだこの時は六花の言いたいことがわからない富樫。しかし、十花さんにある場所に連れられて、なんとなくその意味を悟るのです
・お父さん
十花さんに言われて「六花の父親のところ」に付き合う富樫。着いたのは小鳥遊家のお墓の前でした
お線香をあげた富樫は、十花さんからお父さんの話を聞きます
お父さんが亡くなったのは3年前のこと
そのとき六花は中学1年生
まだ小さかったこともあり、六花にだけは教えないでほしいとお父さんに言われていたそうなのですが
何を教えないでほしかったのか、お父さんの死因は何なのか、この時点では十花さんはぼかすような言い回しをして分かりませんでしたが、最終話ではっきりします
最終話を参照すると、お父さんは何かの病気に冒されていて、ある日余命宣告を受けたのでしょう
医者に余命宣告を受けたとき六花はおそらくまだ小学生でしょうから、六花がショックを受けないように、心配させないようにという父の「無言の愛」がそうさせたのだと思われます
ここでひとつの謎が解けます
電車で実家に向かう道中、六花が浮かない様子だったのは、十花さんたちによってお父さんの死という現実を受け入れさせられる、六花風に言えば「管理局の人間によって精神攻撃を受ける」からだったのです
・管理局
ところで、六花が度々口にする「管理局」とは一体何なのか。管理局の人間とは、誰のことを指すのか。それもこの回で明らかになりました
管理局とは、六花の中二病、つまり不可視境界線の設定、ひいては不可視境界線の向こうにいる父の存在を否定して、六花に父の死という現実を見せようとする人たちのことをそう呼んでいるのだなと、この回で答え合わせができます
六花は不可視境界線の設定を作って父の死という現実から目を背けますが、六花以外の家族は当然それを否定します。そこで、六花は現実逃避している自分を正当化するために
「不可視境界線の存在を知っている自分と、それを否定、隠蔽しようとする組織」
という構図を思いつき、管理局という敵対組織を作り上げたのでしょう
・不可視境界線を見た夜
六花は、お父さんが亡くなった日の夜、水平線の向こうに輝く一面の光を目にします。その神秘的な光景に、六花はこの光の向こうに父がいるように想像します
それは単に船が放つ光でしたが、立花は現実に目を向けるよりも、このときの自分の想像に縋ってしまいます
辛い現実を受け入れがたい六花はそのときの光を「不可視境界線」なる異世界との狭間と設定し、その向こうに父がいると思い込んで現実逃避します
それから3年経ち、もう高校生になった六花は、不可視境界線なんて本当はないことは分かっているのでしょうが、それでも、父の死という現実を直視することができずにいつまでも眼帯を被り続けます
高校生にもなって現実に向き合おうとしない六花に、十花さんが苛立ち、心配していることを富樫は改めて知ります
これまでは六花の中二病萌えを存分に見てきたので、この回で「父の死を受け入れられずに何年間も現実逃避を続けている」という彼女の負の側面を見せつけられておれはちょっとショックでした
家族の誰もが六花の不可視境界線を否定する中、富樫だけは一緒に探しに行こうとその存在を肯定します
行手を阻む十花さんを振り切り、六花と富樫は実家を抜け出し、かつて六花がお父さんと暮らしていた家に向かいます
富樫が六花を外に連れ出したことで、「ダークフレイムマスターは最強!」と、実家に帰ってから塞ぎ込んでいた六花を笑顔にさせます
軽快な音楽に乗って自転車(ラートツヴァイヘルブラウ)を走らせますが、そこにはかつての家は跡形もなく、雑草が生い茂る売地になっていました
言葉を失う六花に、車で先回りしていた十花さんが一言「これが現実だ」
六花は眼帯の奥の目から涙を零し、ふらりと、「シュバルツゼクス ・プロトタイプMk-2」を構えます
管理局が見せる“現実”がなんだっていうんだ
「爆ぜろリアル」
私には邪王真眼の力がある
「弾けろシナプス」
消えてしまえ、こんな世界
小ネタ
六花の実家の最寄駅「東浜見駅」のモデルは福井県三方郡にある「東美浜駅」
中二恋の聖地として知られている
売地になってしまった六花の家に咲いていた黄色い花はマツヨイグサに似ています
(あまり自信ありませんが…)
花言葉は「移り気」、「ほのかな恋」そして「無言の愛」
つづく